sympathy &compassion
ハリー・エドワーズは著書の中で、治療者の大切な素養の一つにsympathyとcompassionを挙げています。
どちらの単語も日本語に訳すと思いやりとか同情、憐れみというものになってしまいますが、彼の文意から読み解くと必ずしもその訳が当てはまるとはかぎりま せん。
思いやりはともかく、日本語の同情や憐れみは、ともすると同情や憐れみをするほうが、されるほうより優位な立場にいるニュアンスを含む場合があります。
わかりやすくいえば上から目線ですね。
ハリーエドワーズの場合は、クライアントの立場になって思いをめぐらせ、共感しながら訴えを聴き、治療に当たるという意味で sympathy や compassion を使っています。
共有とか共感という日本語のほうがしっくりくるかもしれません。
先日あるクライアントさんが、「私がかかった医者は、病気や症状は診たけど、私をみてはくれなかった」とこぼされていました。
治療者である私たちも気をつけなければならないことです。
一縷の望みをかけていらっしゃるクライアントさんに絶望を与えるようなことや、ふさぎこんでいるクライアントさんにより落ち込ませるような言葉をかけるようなことがあってはいけないと思います。
霊的真理をふりまわして、上から目線で人を斬るようなことがあってもいけません。
「自分が相手の立場だったら…」というのは、何事においても基本ですね。
「共有」と「共感」、実践は難しいですが、一歩でも理想に近づきたいと思います。