自分なりに咲く
春分の日が近づき、だいぶ春めいてきましたね。
近所の空き地や道端では、水仙の花に目が留まるようになりました。
水仙といえば、10年程前、我が家の隣地がまだ雑木林だった頃、そこに咲いていた一輪の水仙の花を思い出します。
ある日の朝、我が家の二階の寝室のカーテンを開けた時、隣の雑木林の中のぽっかり空いたスペースに、その水仙の花を見つけたのでした。
朝日に光り輝き、ある種の神々しささえ醸し出していて、しばし見とれてしまいました。
その水仙の花は、周りを木々で囲まれていたので、地上からの目線では私も咲いていることに気付いていませんでしたし、きっと他の誰からもその存在を気付いてもらえていなかっただろうと思います。
その時に私は思いました。
「あの水仙は、私がこうして見つけない限り、きっと誰の目にもふれなかっただろうなぁ。でももし私が見つけなかったとしても、あの水仙は変わらずにああやって花を咲かせて光り輝いているのだろうなぁ。この水仙みたいに世の中には誰にも認められなくても自分の花を咲かせて光り輝いている人は沢山いるのだろう…。誰に評価されなくても自分は自分なりの花を咲かせれば良いんだ…。きっと上から神様は見てくれている…」
ややもすれば自分の功績や実績を他人や世間に認めてもらいたい、自慢したいという我欲に侵されてしまいがちになってしまいますが、その水仙が私に語りかけてきた内容はとても深く、内省させるものでありました。
水仙は地味ですし、花言葉も「自己愛・自惚れ…」と、世間ではあまり良いイメージを持たれていないようです。
が、私にとっては人生に一つの指針を与えてくれた大切な花であります。
水仙の季節は、自分自身を顧みる事の大切さを思い出させてくれます。