他人に渡してスッキリしましょう
個人セッションの中には、時折り「手放す」ことの大切さを諭すガイドスピリットが現れることがあります。彼らが言う「手放す」ってどういうことなのでしょうか?
昨今、ミニマリストだとか断捨離だとか、生活スタイルをシンプルにしていこうという流れが一部であります。モノが溢れた現代社会、自分に本当に必要なものは何か、と考えて行動する人が増えているのは自然なことでしょう。散らかり放題の部屋、どこに何があるのか自分でも把握できない様な家では、心が荒みますし、時間効率、スペース効率も良くありません。これまでに思い立って大掛かりな整理整頓をした経験は多くの方がお持ちのことでしょう。その時に、片づけの対象はモノであるのに、同時に精神的にもスッキリとした経験もされたのではないでしょうか?
モノを片付けることで新しくスペースができます。新しいスペースを空間のままにしておいても良いですし、何か別のものを置いても良いでしょう。新しくスペースができたことで余裕が生まれ、さらには次のステップも考えることが可能になります。
自分の中の「知識」や「スキル」「テクニック」といったものにも同じことが言えます。知識の詰め込みっ放しではいずれ記憶の倉庫が満杯になってしまいます。自分だけの「スキル」「テクニック」だと考えて大切に抱えていても、時代と共にいつの間にか陳腐なものになってしまうこともあり得ます。
「知識」「スキル」「テクニック」といったものも、他の誰かに渡すこと(=片づけること)であなたにスペース(=余裕)ができます。そのスペースにまた新たな「知識」「スキル」「テクニック」を入れることができますので、あなた自身はスッキリとリニューアルできる上に、成長していくことができるのです。
「知識」「スキル」「テクニック」も、抱え込まずに、常に整理整頓や片づけが必要です。あなたに役立った「知識」であれば、きっとそれは他の人にも役立つはずです。あなたの「スキル」や「テクニック」が人を喜ばすものであれば、それを他の誰かに伝えることで、伝えられた方は「善」を行うことができ、結果として喜んでくれる方があなた一人の時よりも数倍になることでしょう。人に渡すことが大きな善を生み出すのです。
伝統工芸や芸能の世界では「一子相伝」という言葉があります。これも「知識」や「テクニック」といったものを後世に伝えていく大切さを表現したものと考えられます。
あなたが大切に抱えているその「知識」や「テクニック」といったものは、お金、時間、労力をかけて得たものかも知れません。自分だけのものにしておきたい気持ちもわかります。しかし人生は限られています。目には見えないものだからこそ、人に伝える、渡すという行為があなたがここに生きた証となって後世に残っていくことでしょう。